コメニウス大学文学部東アジア研究所日本学科
当学科の沿革と現状
コメニウス大学文学部東アジア研究所日本学科(日本語及び異文化コミュニケーションコース)は、スロバキアで日本語専攻が可能な唯一の大学教育機関です。当学科の歴史はまだ浅く、第1期生を受け入れたのは1986年のことです。当初は、哲学部英語学科のなかの日本語・英語コースとして発足し、教育の狙いは、もっぱら翻訳者、通訳者の育成でした。
そして1993年に第2期生を受け入れましたが、その際、学科名を哲学部東アジア研究学科日本研究科に改めました。学科は日本語および異文化コミュニケーションを専攻とする6年間の修士課程となり、同じ年に、日本政府より視聴覚機材を完備した研究所が寄贈され学習環境も整いました。
2008年には、当学科は、再び改称され文学部東アジア研究所日本学科となりました。
さて、現在当学科には、4年間の学士課程および2年間の修士課程(文学研究科東アジア研究所博士前期課程日本学専攻)があります。そして、2010年9月にはさらに2年間の博士後期課程(phD.)も開講予定となっています。
2012年夏学期現在、学士課程には44名、修士課程には9名の学生が在籍しています。そして2013年9月には24名の新入生の受け入れを予定しています。
日本との交換留学は、大学間では、現在早稲田大学ならびに静岡大学と、また学部間では、フェリス女学院大学と龍谷大学と協定を結び行っています。
当学科の理念
当学科の日本語および異文化コミュニケーションというコースの名称はまさに当学科の理念そのものを表しています。なぜ当学科が、異文化間コミュニケーションという視点から日本語教育を行っているか、これは以下の現実があるからです。すなわち、ただ日本語の文法と語彙を勉強したからといって、決して日本語でのコミュニケーションが円滑に行えるとは限らないということです。むしろ逆に時に日本語に流暢な外国人ほどコミュニケーションにおいて、重大なミスをおかしたり、誤解を招いてしまったりしています。なぜなら、そういった外国人は、日本語が持つ社会言語学的なあるいは社会心理学的な背景を無視して日本語を使っているからであり、おそらく母語での言語行動に伴う振る舞い方や、考え方、ジェスチャーなどの言語習慣をそのまま日本語での言語活動に持ち込んでいるのでしょう。このような状態では、言葉のやり取りにおいて、本来伝えたかったであろうメッセージは到底相手には伝わりません。
当学科の教育の狙いは、まさにそこにあり、ただ正しい日本語を教えるのではなく、どのように日本人と日本語で言語行動を行うかということを教授することが課題だと考えています。別の言葉で言い換えるならば、いわゆる日本式のコミュニケーション活動のルールを覚え、それを重要視することを学生に学ばせていいきたいと考えています。これは、当学科のすべての科目の共通のテーマともなっています。また、ただ理論で学ぶだけでなく、実践することを重視しています。当学科が現代の若者に伝えていきたいことは、すなわち、日本人との言葉のやり取りのみならず、外国人とのコミュニケーション活動に備えて、異文化間の相異に敏感になり、同時に異文化間の類似点についてもアンテナを張る、そして、マインドを広げ、柔軟に対応する、自分とは異なる「他の個々」を受け入れる、ただし自身の文化的アイデンティティを失わないということなのです。
当学科のプログラムおよびコース概要
当学科のプログラムは2つ領域にわかれています。第1の領域は日本語教育、そしてもうひとつは異文化コミュニケーションです。日本語教育と異文化コミュニケーションの学習時間数の割合は概ね3:1となっています。
以下は、課程ごとの詳細です。
○学士課程
現代日本語の習得 文法・漢字(漢字習得目標数は概ね1500字程度)・聴解・読解
会話・ライティング・ビジネスコミュニケーション
東洋哲学
日本学 現代日本社会、日本文化、日本人のものの考え方など
○修士課程
学士の各科目の応用力強化
常用漢字の習得
論文、論文発表のための日本語
日本文化、日本社会、日本文学、歴史など専門分野の開拓
異文化コミュニケーション研究
担当教官
当学科の講師は現在5名おり、スロバキア人助教授4名と日本人常勤講師1名からなっています。以下は、それぞれの講師の担当科目・研究分野です。
ショウツォヴァー・ヤナ Šoucová Jana, PhD. (soucova@fphil.uniba.sk)
文法、読解を担当。敬語に着目し「Keigo for Slovak students of Japanese」を執筆。敬語および社会言語学。
ミチコヴァー・ルビツァ Mičková Ľubica, PhD. (mickova@fphil.uniba.sk)
漢字・聴解・ビジネスコミュニケーションを担当。社会言語学、日本語における婉曲表現。
マルコヴァー・ヴィクトーリア Marková Viktória, PhD. (markova@fphil.uniba.sk)
異文化コミュニケーション担当。言語行動にとどまらず、非言語行動のアスペクトからも異文化を探る。異文化接触におけるコミュニケーションギャップや障害に備える能力を理論のみではなく実践で学べるよう指導。異文化コミュニケーションの中の集団主義の特質。
ヴルチェク実奈子 Vlček Minako (vlcek@fphil.uniba.sk)
1998年より3年間、常勤講師として勤務。2009年より復職。会話とライティングを担当。学習語接触稀少地域における教授法の開発。
山本温子(日本語教育指導助手、国際交流基金派遣)
図書館
およそ3000の書籍を所蔵。日本語学習や異文化コミュニケーションについての日本語と英語の書籍がメインとなっています。国際交流基金からの寄贈された書籍がほぼ90%を占めています。
お問い合わせ先(日本語でお気軽にどうぞ。)
Comenius University
Faculty of Arts
Department of East Asian Studies
(Vlcek MinakoまたはMarkova Viktoriaまで。)
住所Gondova 2
814 99 Bratislava 1, Slovakia
Tel: +421 2 5924 4615
Fax: +421 2 5924 4665
E-mail: kjkvaj (at) fphil.uniba.sk
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